中国映画を語るけど前置きが長い

昨日は初めて参加したオフ会の1周年だったのでお祝いに参加。といってもグダグダおしゃべりしたりボーッとしていただけだけど…。

変なタイミングで突然喋ったり突然黙ったりする悪癖が昨日はひときわひどかった気がして、すこし反省している。複数人で話すのほんと難しいヨ〜。

 

それにしてもこのオフ会関連で知り合う人たちは仕事でも趣味でも専門性やこだわりの深い人が多くて、しかも話し上手なものだから刺激的だ。

私も、もうちっと上手に話せるようになりたいな〜。もしくは聞き上手になりたい。

 

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愛が止まない福砂屋のカステラをあみだくじで勝ち取った。

ランタンフェスティバルいいなー。長崎のももちろん行きたいけど、いつか台湾やベトナムのも生で見られたら素敵。

 

大学院の同期にホイアン出身のベトナム人の女の子がいたなあ。

同専攻内に日本人は私を含めて2人だけで、留学生たちの自由さに胃がキリキリすることもあったんだけど

その子は私の名字をうまく発音できず「美味しいちゃん」と呼んでくれていたのが可愛くて、日本の大学の雰囲気に馴染もうと私の話も真剣に聞いてくれたりして、なんだかとても印象に残っている。

彼女は今も日本で頑張っているけど、いつか一緒にホーチミンホイアンの街を歩きたいな。

 

脱線したけど、そんなこんな楽しい夜でした!しかし主催者がうさ耳つけて包丁を握っている不穏な写真しか撮れてなかった…。

 

来週以降も、ケーキを食べに行ったり「ねこ休み展」に行く約束があってとても楽しみだ〜。

あと地元に待望の金子眼鏡店がオープンするので眼鏡を新調したいのと、映画も『グレイテスト・ショーマン』『空海』『シェイプオブウォーター 』『坂道のアポロン』あたりをできるだけ劇場で観たい…『勝手にふるえてろ』もできたらもう一度観たい…。あ、18切符で日帰り旅行にも行きたい…。

 

空海』、中国では超有名な陳凱歌監督が手がけていてずっと気になっていたんだけど、国内では吹替版のみで字幕版がないのが非常に残念。

でも大学3,4年の時に中国映画の授業を担当してくださった字幕翻訳家の先生は、「お金をかけただけのお子ちゃま向け映画なので、吹替版でしか観ない層を見越した東宝の戦略は正解」みたいなことを言っていたな。

私、学問をするにはちょっと問題なんじゃないかってくらい批判的な物の見方ができなくて、たいていの映画は「映像きれい!」「脚本も良い!」「キャスト素敵!」で終わってしまうので、それはそれで楽しめる気がするけど。笑

たとえ吹替版でもスクリーンで映像美を楽しみたい気もするし、某所(笑)に中国語音声・中国語字幕版があるのでそれを観たい気もする。

 

件の先生の授業、今でもすごく印象に残ってるなあ。

中国映画は検閲が厳しくて、反政府的なもの、国内の問題や隠したい歴史をテーマにしたもの、ふしだらなもの(同性愛も含む)などは弾かれ、体制寄りだったりプロパガンダ要素強いものが奨励されるって雰囲気なんだけど

そんな中でも国内で日の目を見ないまま、海外向けにインディペンデント系の作品を頑張って作っている中国人映画監督はいて、その人たちの作品をいち早く授業で見せてくれたかと思えば、次の週には監督本人を呼んで直接質問をさせてくれたり、すごかった。笑

 

私が中国の「留守児童」(片親もしくは両親が都会に出稼ぎに出ているため、田舎の農村の祖父母や親戚に育てられている子供)に関心を持ち

それの国境を越えたバージョン(親がなんらかの理由で海外に住み、子供は中国にいる越境状態の家族)に着目して研究しようと思ったのも、

この授業で留守児童にまつわる映画を観て、監督(自身が留守児童だった)のお話を直接聞いたのが大きなきっかけだったと思う。

 

映画を観るごとにレポートでも感想文でもなく「批評文」を書かされたのも印象深い。

最初の頃は全然うまく書けなくて「解説文としては出色の出来です」とか皮肉られたけど笑、最後の方でやっと「同感です」のコメントを引き出せた時は嬉しかったな。

 

そんなことを書いていたら久しぶりに中国映画を観たくなったので、最後に好きな作品を適当に列挙しておく。

 

 

北京ヴァイオリン 特別プレミアム版 [DVD]

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高3の時、選択授業で中国語を履修していたんだけど、その時初めて観た映画。

天才的なヴァイオリンの腕前をもつ息子をなんとかこの道で大成させたいと、田舎者の父親が男手一つ北京で奮闘する話。冬の北京の寒々しさが感じられる映像や街並みが良い。

大学2年の授業で2回目を観た時は、自分自身上京して親元を離れてすでに留学も心に決めていて、母親にいろんな心配な苦労をかけていたこともあり、息子のためなら自分のことなどかまわない父親の姿になにかを重ねてガチ泣きしてしまった覚えがある。笑

一緒に観ていた子たちは当時みんな実家暮らしだったのもあってちょっと引かれたけど、初めて親元を離れた留学先でまたこの作品を観たら泣いちゃったって子がいたので、やっぱそうなるでしょー!?と思ったのも覚えてる。

 

 

さらば、わが愛 覇王別姫 [DVD]

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中国の伝統演劇「京劇」をテーマとした作品。よく日本の歌舞伎と比較されることが多いかな。独特な音楽やメイク、声の調子などが面白くて、いつか本格的に観劇したいなあとずっと思ってる…。

 

そんな京劇の趣が詰まっているのは勿論、同性愛要素もすこしある作品。現代の京劇では女性役は女性が演じているけど、この作品の舞台となった年代では女形が主流だったんだよね。

幼い頃から寝食を共にして厳しい訓練を積み、「覇王別姫」という有名演目の王役と王妃役の名コンビとなった主人公2人だけど、劇中での関係性を実際の関係にも引きずって思慕を募らせてしまう王妃役が切ない。

個人的に彼の感情は、同性愛というよりは役者としての生き様に近いような気がするけれどね。

その彼を演じたのが今は亡き名俳優、レスリー・チャンで、男性の姿の時も女形のメイクをした時もめちゃめちゃ美しく、そして危うい。

 

あと個人的な見所は抗日戦争や反右派闘争、文化大革命といった近代中国の激動を描いているところ。

私は歴史は苦手なんだけど、あの時代の、今だったら讃えられるような人やものがどんどん弾圧され、壊され、狂っていく雰囲気にはなんだか惹かれてしまっている。

(関係ないけど、最近公開された、文革時の若者の青春を描いた『芳華』という作品が好評のようで気になってる。)

 

このように京劇、愛憎、歴史と重厚な要素が盛りだくさんなのに、比較的観やすく綺麗にまとまっているからすごい。

 

 

海洋天堂 [DVD]

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重度の自閉症を抱える息子を男手一つで育てる父親が自分の死期を察し、息子が一人でも生きていけるように生活のあらゆることをひとつひとつ手ほどきしていく物語。アクション俳優のジェット・リーが、朴訥だけど愛情深い父親役を演じている。

息子は掃除すらゆっくりゆっくりじゃないとできなくて、父親の最期の日々はそんな彼と共に穏やかに過ぎていく。でも死はおそろしいスピードで近づいてきていて、ある時父親がどうしても苛立ちを覚えてしまった時のシーンが印象的。

もう何年も観ていないのでまた観たいな。ぜったい泣いちゃうけど。私は親子ものに結構弱いみたい。

 

ちなみに「天堂」は中国語で「天国」の意。このように日本語と中国語で同じ意味でも字面が微妙に違う単語が好きで、今のところのナンバーワンは「伏筆」(伏線の意)。

 

紅夢 [VHS]

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舞台はまだ封建的な家族制度、家族観の残る1920年代。家計を助けるために、当時の女性としては珍しかった大学を辞め、富豪の第4夫人として嫁いだ女性の物語。

主人がその日泊まる夫人の部屋の前には赤い提灯が掲げられ、足打ちという独特の音が邸宅中に響くマッサージを受け、選ばれた夫人はその日の食事を決めることができる。

つまり現在誰が寵愛を受けており、地位が上なのかを目でも耳でも実感せざるを得ないという状況。そんな狭い世界で女性たちがどうなっていくのか、ドロドロで面白い。

監督を務めた張芸謀は映像に赤を取り入れることを得意としていて、この作品も赤い提灯を含めた色彩がとても印象的。

 

 

あの頃、君を追いかけた[DVD]

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台湾映画もあまり詳しくないけど好き。

劣等生の男の子と優等生の女の子の青春モノというありがちなストーリーだけど、遠くて、でもなぜかどこか懐かしい台湾の高校生の生活模様がすごく面白いんだよね。叶いそうでなかなか叶わない恋のもどかしさも良い。ヒロインが可愛い。50回は観た気がする。

好きすぎて、台湾旅行のときロケ地の彰化(わりとただの地方都市)にも遊びに行ったほど。笑

 

戀愛最美好的時候就是曖昧的時候

(逐語訳すれば「恋愛の一番美しい時間は曖昧な時間」、日本語版の字幕では「恋は つかめないうちが一番美しい」)

など名台詞多し。

 

 

台北の朝、僕は恋をする [DVD]

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こちらも台湾映画。ストーリーは取り立てて印象に残らない、なんてことはない映画なんだけど、台北の街並みや生活がよく見える映像で好き。

タイトルを裏切り、ほぼ全編を通して夜が舞台(というかすべてが一晩で終わるストーリー)なんだけど、台北の夜って寂しくなさそうでいいな〜って心底思うよ。24h営業の某書店で深夜書店デートするのが夢です。

 

 

多分日本語版がないんだけど、某所に英語字幕版はあるはず。4本立てオムニバスのレズビアン映画。2つ目の作品に出てくるカップルが私の中でドツボ可愛いので最後にチョロっと。笑

 

 

ぱっと思いつくのはこんなところかな…。

タイトルだけを挙げると『ジャスミンの花開く』『妻への家路』『老人ホームを飛び出して』『ブエノスアイレス』(←香港映画)あたりも面白かった記憶がある。

あとフランスとの合作だかで、同性愛もののため中国では撮影許可が下りずベトナムロケだけど、『中国の植物学者の娘たち』もとても美しい映画だったな。